(paper)「芸術・エンターテインメントとビジネスを結ぶニューロテクノロジー」

神経回路学会誌への解説論文の掲載

抄録 なぜ芸術に人は価値を見出し,文化・産業として選択され続けてきたのか.一見科学の俎上に上がりにくそうな主題だが,芸術に対する感動体験の背景にある神経情報表現やその操作が可能となってきたことで,人類は少しずつではあるがその謎に迫りつつある.それを支えるのが脳の情報処理を各種手法でセンシング・解析・介入する神経科学の研究の進展とニューロテクノロジーと呼ばれる一連の技術群である.本稿では情報処理臓器「脳」の情報表現を扱うという観点から芸術,特に音楽に関する研究事例やエンターテインメント産業に応用できる可能性の状況について概観する.そしてアートにおける新たな表現媒体としての可能性に関して紹介するとともに,実際のビジネス特に臨床場面での応用可能性について解説する.こうした昨今の研究の進展は,脳の情報という新たな情報媒体を扱う技術とアートが融合するところに新たな表現や産業が生まれていくとなることを期待させるものである.

茨木 拓也 (公式個人ページ) Takuya Ibaraki

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